社団法人津青年会議所 理事長所信

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  the 60th president Kuniaki Iwahashi    第60代理事長 岩橋邦晃

岩橋円.jpg「はじめに」

 2011年3月11日14時46分18秒。宮城県牡鹿半島沖を震源として発生したマグニチュード9.0を観測した地震。そして大津波により多大なる人命が失われました。愛する家族を失い、愛する家を失い、愛するまちを失い。これから独りで生きていかなくてはいけない子供たちや、成長を楽しみにしていたわが子を失った方々が大勢います。また、地震、津波に続き発生した福島第一原子力発電所におけるメルトダウンは、長年住み慣れた故郷を奪い、避難所を転々とすることを余儀なくされ、さらに追い打ちをかけて、目に見えない放射能汚染の風評被害で、農海産物はもとより、Made in Japanそのものが大打撃を受けています。しかしながら唯一の希望は、このような状況にあっても冷静で、被災した人々をなんとか助けようという気持ちの方々が沢山いらっしゃることと、自分たちがやらなきゃという「志」を持った青年が、それぞれの地域で活動していることです。私は昨年、被災地でOMOIYARI運動を開催させていただく中で、自らが被災しながらも地域の子供たちを想い、お年寄りを想い、まちの将来を想い活動しているメンバーに出合い、青年会議所運動の原点を見たように感じました。

「戦後」から「災後」へ

 この災害を境に新しい時代の扉が開放され、これまで進められてきたこの国の方向性について、改めて考え直さなければいけない必要性が感じられます。そのような社会情勢の中、青年会議所は地域の新たな負託と信頼に応えられる存在であり続ける必要があると考えます。
 戦後間もない1949年、「祖国日本の復興」を目指し発足した日本における青年会議所運動。わがまち津においても、先輩諸兄による地域に根ざした運動は1953年から始まり、戦災による焼失率が全国一であったにもかかわらず、津市を見事に復興させる大きな力になったと考えます。それから59年。長すぎた戦後。様々な分野において歪みが生じ、日本人の心さえもが市場主義や個人主義によって方向性を見失ってきたと感じるのは私だけでは無いはずです。  
 私たちの生きる時代は「戦後」から「災後」へ否応なしに突入しました。震災からの復興が急務であると考えますが、その復興は輝かしい高度経済成長の昔に戻る復興ではなく、新しい世界を創造する復興でなければなりません。その基軸にすべきものは、私たち日本人の「こころ」に深く刻まれており、公益社団法人日本青年会議所が推進している「OMOIYARI」の精神であると考えます。

「災後」 ~「OMOIYARI」の時代~

 悲惨な大震災の渦中、私たち日本人のとった行動は世界中から大きな賞賛を浴びました。「秩序よく配給の行列に並ぶ姿」「自ら被災しながらも子供たちにお菓子を配る女子高生」「命を投げ打ってでも外国人労働者を救った会社役員」など。これらの行動の源流にあるのは、日本人の高潔な精神と「OMOIYARI」であります。何故この「こころ」が、経済の発展のさなかで忘れられてしまったのか。
今後、世界は3月11日を境に変化していくはずです。もう変化は始まっているのかもしれません。その変化が間違った方向へ進まないように、政治、経済、教育、エネルギー、環境、IT、高齢化、外国との関係等、様々な分野に注視していく必要があります。
戦後の混乱の中、立ち上がったのは当時青年であった私たちの先輩でした。今、私たちJAYCEEは立ち上がらなければいけません。しかしそれは私たちのまちのことだけを考えていてはいけません。包括的な観点で物事を考える必要があります。「相互理解」「いつくしむ心」「するべきことをする」。この「OMOIYARI」の心を基軸に地域活動を行ない、それを地域に関係する全てのものに広げる努力を行なうことで、「恒久的な世界平和」に繋がる運動ができたら、それは本当に素晴らしいことではないでしょうか。

「矜恃」 ~JAYCEEとして未来へ繋ぐもの

 この地域やこの国の将来、つまりは自分自身の子供や子孫が生きる時代に対して私たちは責任を負わなくてはいけません。今、無関心でいることが地域の将来にどれ程の影響を及ぼすのか。私たちは一人のJAYCEEとして、この時代を生きる青年として、この国難に立ち向かわなければならないのではないでしょうか。
 私の好きな言葉に、「出来ない理由を探すより、やれる方法を考えよう」という言葉があります。できない言い訳を考えれば幾らでも出てきます。それは自らの成長を自らが刈り取ることでもあります。言い訳を考える前に「やる」ことを前提にして、その方法を考える習慣をつけましょう。
JCは「青年の学び舎」でもあります。無い時間にやり繰りをつけ、汗水垂らして仕事の段取りをし、シャワーを浴びる間もなく委員会活動に出かける。自らが掲げた目標と、これまで育ててもらった地域の負託と信頼に応えるため、家族との貴重な時間を削ってまでもJC活動を行なう。担当副理事長の指摘に一度はやる気を無くしたものの、基本方針を振り返り、やはり自分が未熟であったと反省し、次のステージに進むことが出来る委員長もいます。JCが与えてくれるすべての経験を通じて私たちは成長し、これからの人生の糧とすることが出来るのではないでしょうか。力があるから重い荷物が運べるのではなく、重い荷物を運ぶことで、自らに力が付くのです。若いメンバーには様々な経験をしていただき、自分の限界を超える可能性に挑戦していただきたい。そして、そこで得た知識や経験を地域の未来へ、社団法人津青年会議所の未来へ、また自分自身の未来へ繋げていただきたい。
 本年、私たちは三重ブロック会員大会を主管致します。心を込めて県内のメンバーをお迎えし、OMOIYARI溢れる会員大会の運営を行ないます。入会年度の浅いメンバーにとっては非常に貴重な経験となり、そこで得たものを今後の活動に是非活かしていただきたい。また、2013年、60周年を迎えるにあたり、この経験を通してメンバー全員が成長し、さらに地域に貢献できる社団法人津青年会議所でありたいと望みます。

「会員拡大」~志ある仲間とともに

 私たちが取り組まなくてはいけない重要課題に「会員の増強」があります。存在意義を発揮し、地域とともに今後も活動を行なっていくには会員数を増やす必要があります。そうでなければ、予算を削減し、長年続けてきた地域に愛される事業を中止し、様々な活動を制限しなければいけない事態が近い将来必ず訪れるのです。その悪夢を阻止するには会員全員の拡大への気持ちが同じベクトルに向かわないといけません。全員が当事者意識を持ち、情報に耳を傾け、ネットワークを最大限に活かし、自らの足を使って拡大することが重要です。これは企業の営業活動と同じです。動きを止めればそれで終わりです。私たちが行なってきた活動に誇りを持ち、熱い情熱を胸に語りかければ、地域を思う「志」ある青年は必ず応えてくれるはずです。私は理事長として自ら靴底をすり減らし、先頭に立って活動する所存です。一緒にやりましょう。

「地域の宝」~未来は今から始まっている

 2050年、日本は震災からも復興し、昭和と呼ばれた時代よりも輝かしさを世界に放っているだろうか。物質的な豊かさよりも「心の豊かさ」が大事にされる世界になっているだろうか。想像してみてください。2100年、世界は持続可能な平和な世界になっているだろうか。私たちの地域はお互いが住みやすい社会になっているだろうか。私たちの祖先は、戦争に負けて焼け野原になっても、立ち直り、世界の先進国になるまで、努力家で実直で誇り高い精神を授けてくれました。震災にあたっては、お互い助け合い、自らを顧みず相手を思う気持ちを持ったOMOIYARIの精神を授けてくれています。では、私たちは100年後の人たちに何を授けられますか。
子供たちを取り巻く環境は社会の流れと共に大きく変わります。核家族化、地域コミュニティの弱体化、無関心社会などにより、道徳心の欠如やコミュニケーション能力の不足が生じ、他者を思いやる心が欠如したと思われる犯罪やいじめの報道が絶えません。子供は体験を通じて学びます。何が正しくて何が間違っているかを私たちは大人たちに学びました。それは学校であったり、子供会であったり、地域には私たちを支えてくれる大人がいて、その背中を見ることが出来ました。「地域の宝」は地域で守り育てないといけないのではないでしょうか。それにはまず大人がその問題点に気づき、解決していかなくてはいけません。縦軸としての親と子、横軸としての地域と家族。この関係が太い線で結ばれているなら、私たちが授かったものを、子供たちへ、そのまた子供たちへと残していくことが出来るはずです。

「地域との連携」~魅力あるまちづくり

 私たちの活動をより効果的にするためには、地域の他団体との協働が不可欠であります。これまでも津まつり事業や七夕事業などにおいて、まちを巻き込んだ事業をおこなってきました。他団体の専門性を必要とするのは勿論ですが、メンバー数が減少するなかで事業を行なう上でも非常に効果的です。また、地域の学生やボランティアとの連携は、その方々にはよい経験となり、まちの為にこれから活躍してくれるであろう人材の育成にも繫がっていくでしょう。まちに対しての「志」を持った者が集うことは、地域にとって非常にプラスであり、青年会議所にとっても大変有意義なことであります。

「組織の在り方」について

 私たち社団法人津青年会議所の目的は「地域社会及び国家の政治、経済、社会、文化、諸問題の調査研究を行ないこれらの正しい発展充実に努め、会員相互の連携と指導力の啓発に努めると共に、国際的理解を深め世界の繁栄と平和に寄与することを目的とする」と定款に示されています。
公益法人法制度改革により、法人格の移行の期限が2013年11月に迫っており、2008年の総会において公益社団法人を目指すことが決議されています。その決議に則り、本年、社団法人津青年会議所は公益社団法人として新たな一歩を踏み出します。「公益か一般か」という議論の中で改めて定款を見つめ直し、これまで60年近く続けられた運動を振り返ると、これほど公益社団法人を掲げるに相応しい団体はありません。今後発生するであろう様々な変化や問題に対して、臆することなく立ち向かう力強い組織にし、公益社団法人格を取得することにより、地域に対して更に力強く存在意義を発揮する組織を目指します。

「姉妹JCとの交流」について

 事業交流や訪問を通じ、それぞれのメンバーが何を想い、それぞれのLOMがどのような活動を行なっているかを知ることはとても勉強になります。また様々な情報を共有できるのも大きな強みです。深い交流をすることでお互いが切磋琢磨し、それによりお互いのLOMが成長できるような関係を築きあげます。


「出向者支援」について

 本年度も積極的に出向者の輩出を行ない、支援を行ないます。最大限の支援を行なうことで、出向者がLOMの代表として出向していることを自覚していただき、経験から得られたものをLOMに持って帰ってきて頂くことを望みます。


「おわりに」

 私たちは岐路に立たされています。そのことをまず認識しなくてはいけません。そして地域を担う青年として今何をすべきか。今やらなければ未来は決して動かないのです。誰かがやってくれると目をそらせば、未来は変わらないし、その影響を受けるのは私たちの子供たちです。子供たちに何を残してあげられるか。地域に何を残してあげられるか。時代が動いている今だからこそ、様々な分野でいろんな選択が可能です。大いに議論し、汗を流し、地域に私たちの想いを伝えましょう。

未来を創るのはわたしたちです。

基本理念

地域や子供たちに何を残せるかを常に考え
自らの限界に挑戦し
OMOIYARIを基軸に「まち」を創造する

基本方針

           ・地域との協働による輝かしいまちづくりの推進
           ・OMOIYARI溢れる会員大会の運営
           ・未来を見据えた青少年の育成
           ・矜恃を養い未来へ繋ぐ会員の育成と拡大
           ・地域のJCとして次代に向けたビジョンの策定
           ・公益法人制度改革への対応
           ・経験と友情を深める出向者への支援
           ・お互いが切磋琢磨し共に成長できる姉妹JCとの交流
           ・公益社団法人日本青年会議所協働運動・連携推進運動の実施






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